写真で解説する発車標/編集中 のバックアップ(No.8)


ただいま作成中。

「ATOS連動」とは?

ATOSとは一体何なのか

従来型CTC・PRCが持っていた課題を解決し、超高密度な東京圏において適用するために開発した運行管理システムが東京圏輸送管理システムATOS(アトス:Autonomous Decentralized Transport Operation Control System)です。
そもそも、CTC・PRCとは何なのか、超簡略的な画像を作ってみました。
(参考文献:http://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_5/12-20.pdf

非システム化(駅てこ扱い)

1teko.png
信号機・ポイントなどは、駅ごとの信号扱い所の係員が手動で操作します。
係員の注意力と電話連絡で列車の運行を行います。

CTC(列車集中制御)

2CTC.png
信号機・ポイントなどを、遠隔で指令員が操作します。
全体を把握して列車を運行できますが、係員の注意力が必要なのには変わりません。

PRC(自動進路制御装置)

3PRC.png
信号機・ポイントなどを、ダイヤデータを基にコンピューターが自動で制御します。
ダイヤが乱れなければ、基本的に自動で列車の進路を構成できます。

ATOS(東京圏輸送管理システム)

4ATOS.png
東京圏という、超高密度なエリアを、一元でコンピューター管理してしまうシステムです。
“一元で管理”することで起こるリスクとして考えられるのが、システムの一部分が故障してシステムダウンすることです。
ATOSでは、自律分散システムを採用し、中央装置との通信が途絶えても駅単独のPRCとして稼働させることができるというのが特徴です。

輸送管理システムと旅客案内

当サイトで扱っている「ATOS連動発車標」は、ATOSの付加的な機能である“旅客案内”の1つです。 LED発車標は、ATOSの導入されていない駅でも旅客案内として使われています。 輸送管理システムとLEDによる旅客案内の関係性を見てきましょう。

LED発車標がシステムに連動しない場合

通常時は発車時刻になったら列車が繰り上がり、ダイヤ乱れ時には駅社員の入力操作によって繰り上がりを遅らせたり、順序変更、運休(列車を削除)、最悪の場合は発車標そのもの非表示にする場合もあります。 発車標と信号が繋がっていないので、列車の接近を知らせることもできません。 CTCの路線もダイヤを持っていないので、旅客案内としては非システム駅と同様です。

LED発車標がシステムに連動している場合

PRCやATOSがこれに該当します。但し、PRCも性能によって様々で、上に書いた「信号機・ポイントなどを、ダイヤデータを基にコンピューターが自動で制御」だけを行うものもあれば、ダイヤや在線データを基に旅客案内を行うものもあります。また、路線としてPRCを導入していなくても、駅の電子連動装置にPRC同様のダイヤを持つつ「駅PRC」もあります。 この場合、列車の順序が変更になったり、運休になった場合、路線全体でダイヤを共有しているため、リアルタイムに情報が反映されます。

ATOSの旅客案内

設置場所

秋葉原駅
設置される場所に応じて、表示動作の設定が異なります。
見分け方は「列車(電車)がまいります(通過します)」が表示されるかどうか。

ホーム設置表示(接近表示する設定)

市川駅
そのホームから発車する列車を順番に表示。1台で1つの番線しか表示しない。 列車(電車)接近時には「列車(電車)がまいります(通過します)」を表示

コンコース設置表示(接近表示しない設定)

新宿駅
さまざまな条件でソートされた列車を表示します。番線が混合になるため、特定のホームの接近を表示することはありません。

番線ごとの発車標(条件例:5・6番線を表示)

新宿駅

新宿駅
階段上などに設置するケースでよく見られます。

路線・方面ごとの発車標(条件例:○○線上り列車を表示)

新宿駅
改札上などに設置するケースでよく見られます。

種別や列車名ごとの発車標(条件例:特急成田エクスプレスのみを表示)

新宿駅
特定の種別や列車だけをピックアップして表示する発車標です。 規模の大きい駅、複雑な輸送体系の駅で見られます。

段数ごとに内容を固定した発車標(条件例:1段目に内回り、2段目に外回りを表示)

本来なら2台の発車標を設置すれば良いところ、スペースやコストの都合で1台の発車標で済ませているケースがあります。比較的中規模の駅で見られます。 ついつい1段目に目が行きがちなので、慣れるまで時間がかかるかもしれません。 スクロールを設定してしまうと、2段目が消えてしまうので、その点が考慮されていない発車標は使いものになりません。

  • 実際の例
    恵比寿駅川越駅
    恵比寿駅
    1段目:山手線外回り
    2段目:山手線内回り
    川越駅
    1段目:川越線上り
    2段目:川越線下り
    横浜駅戸塚駅
    横浜駅
    1・2段目:湘南新宿ライン北行
    3段目:湘南新宿ライン南行
    戸塚駅
    1段目:東海道線上り
    2段目:横須賀線上り
    甲府駅大月駅
    甲府駅
    1段目:2番線の先発列車
    2段目:3番線の先発列車
    ※3段目は表示なし
    大月駅
    1段目:中央線上り
    2段目:中央線下り

先着案内

特殊な事例

ホームに“コンコース設置表示”、コンコースに“ホーム設置表示”している例

石岡駅

  • 石岡駅では2・3番線用のホーム発車標が1台で共用しているためホーム設置表示の条件から外れる。接近表示(列車がまいります)は表示されない。

宇都宮駅

  • 宇都宮駅ではコンコースに番線ごとの発車標があり、ホーム設置表示の設定がしてある。コンコースで接近表示(列車がまいります)が点滅する。

茅ケ崎駅

  • 国府津駅や茅ケ崎駅では跨線橋内に番線ごとの発車標があり、ホーム設置表示(茅ケ崎駅は5番線のみ)の設定がしてある。跨線橋内で接近表示(列車がまいります)が点滅する。

1つの線路に2つのホームがある例

川越駅では、3・4番線が1本の線路に対して両側ホームのある構造で、どちらのホームにも発車標が設置されている。
川越駅
列車は乗車側ホームに表示され、降車側ホームは無表示の段になる。接近は両側とも表示される。

【補足】1つの筐体で1台の発車標とは限らない。パネルが1枚なら1台の発車標とは限らない。

交互表示で見分けよう。

  • 武蔵五日市駅では、1段目に1番線、2段目に2番線の先発列車を表示する発車標があります。
    武蔵五日市駅
    上段と下段で日本語と英語の切り替えタイミングが異なることから、それぞれが独立して動作していることが分かります。
  • 八王子駅では、1・2段目に横浜線、3段目に八高線を表示する発車標があります。
    八王子駅
    交互表示をよく見ると、1・2段目と3段目で別扱いになっています。
    3段目のみATOS非連動という、非常に珍しい発車標です。

サイズ

「桁」「段」とは

桁と段
当サイトでは、LEDパネルの横幅を「桁」・縦幅を「段」と呼びます。
横幅が10桁の場合には、全角で10文字分が表示できます。
縦幅が2段の場合には、2つの列車が表示できます。

最小桁数は8桁…「列車がまいります」が表示できることが条件

ATOS連動発車標において最も小さな発車標は、8桁1段のものです。
西荻窪駅
運行パターンが比較的シンプルな山手線・京浜東北線・中央・総武各駅停車・常磐線各駅停車などでよく見られます。

8桁が最小である理由は、「列車がまいります」や「電車が通過します」などの接近表示が必要であるからと思われます。
新松戸駅

最大桁数は27桁6段(上野駅中央改札)

ATOS連動発車標で最大のものは、上野駅中央改札口に設置してあった27桁6段のものと思われます(撤去済み)。 上野駅

現在では、同じく上野駅に設置されている27桁4段のものが最大と思われます(フルカラーや特殊な発車標を除く)。 上野駅

一般的には

横幅8〜12桁程度・1〜2段の発車標が多くの駅で見られます。
北与野駅
(写真は12桁2段)
特急停車駅では14桁以上、運行系統が複雑なターミナル駅等では18桁の発車標が用いられることもあります。

外装

当サイト独自の区分です。

標準タイプ(新陽社製)

JR東日本管内で幅広く用いられている発車標で、新陽社が製造しています。
津田沼駅
ATOS連動発車標の大多数は、この形状の発車標となっています。

銚子駅 松島海岸駅
ATOS導入区間以外でも、このタイプの発車標をよく見かけます。

小さいタイプ(新陽社製)

新宿駅コンコースや、南武線の駅などで見ることができる小型の発車標です。
新宿駅

鹿島田駅 北鎌倉駅
横浜支社管内の駅で特に多く見ることができます。

複合タイプ

東京駅や立川駅の一部などには、複数の路線やのりばの発車標が、1つの筐体にまとめられているタイプが設置されています。
東京駅

立川駅 戸塚駅
以前は戸塚駅にも設置されていました。

日本信号製

標準タイプに似ていますが、よく見ると形状が異なっています。
日本信号による製造で、京浜東北線や山手線の一部駅に設置されていましたが、2019年までにすべて置き換えられました。
田端駅 大宮駅

古いタイプ

四角いタイプ

低いタイプ(天井の低い駅向け)

PDPタイプ

液晶タイプ

基本表示

日英の交互表示

日本語は12秒、英語は6秒

  • 1つの言語に2面の表示も可能で、日本語6秒・6秒、英語3秒・3秒
  • 分割(2つの行先に分かれる)・併合(始発駅の異なる2つの列車を連結)列車の場合は特殊な交互表示になる。
  • 駅によっては、英語表示をスキップしている

割当

表示項目ごとにパーツがあり、桁数が決まっている。

  • 路線名 2〜4桁 (埼京線)
  • 種別 1〜3桁 (快速)
  • 列車名 3〜7桁 (あずさ)
  • 時刻 2〜4桁 (12:34)
  • 行先 3〜6桁 (東 京)
  • のりば 1桁 (13)
  • ドア数 2〜3桁 (4ドア)
  • 両数 2桁 (10両)
  • 遅れ 3〜4桁 (遅れ 5分)
  • 始発 1〜3桁 (始発)
  • 順序 2〜3桁 (先発) 発車標ごとに設定された、パーツの表示順と桁数を「割当」と呼んでいる。

接近表示

列車と電車

停車と通過

文字色

3色LEDの場合「赤」「橙」「緑」、さらに反転色もある。

色は駅の設定でパーツごとに変えることができる。

表示項目・パーツごとにデフォルトの文字色がある。

  • 路線名 橙・
  • 種別 緑(普通・各駅停車・回送)
    		橙(快速・通勤快速・特別快速・中央特快・青梅特快・通勤特快・ライナー)
    		赤(急行・特急・L特急・寝台急行・寝台特急・団体・臨時)
  • 列車名 赤
  • 時刻 緑
  • 行先 橙
  • のりば 橙
  • ドア数 緑(4ドア)、橙(3ドア)、赤(2ドア)
  • 両数 緑
  • 遅れ 赤
  • 始発 橙
  • 順序 赤(先発)、橙(次発)

ドットとフォント、図形と手入力

16ドットと24ドットの2種類

内蔵フォント(16ドット)

導入当初からのフォント

新フォント(明朝)

*ワイヤレス発車標

蘇我駅のフォント

図形(画素)

内蔵フォントとの違い

スクロールに流れる図形

手入力

臨時列車等で見られる手入力表示(ベタ打ち)

ドットを手入力している図形表示

スクロール

出発予告表示

途中通過駅の案内

途中停車駅の案内

12駅以上 「この列車は、途中■■■■、(中略)、■■■■に停車致します。」 12駅以下 「この列車は、途中■■■■、(中略)、■■■■の順に停車致します。」

編成の案内

「この列車は■両編成で、前から●号車、●号車の順になっています。」

分割併合の案内

「この列車の前寄り【■両】は■■■■止まりとなります。」 「この列車の後寄り【■両】は当駅止まりとなります。」 「この列車は、当駅で【種別2】【列車名5】【号数2】と連結を行います。 「この列車は、途中■■■■で前より【■両】■■■■行き、後寄り【■両】■■■■行きに切離し致します。」 「この列車の前より●号車から●号車は■■■■行き、後寄り●号車から●号車は■■■■行きです。途中■■■■で切離し致します。」

組成の案内(指定席・グリーン車・自由席)

「グリーン車は●号車・●号車、自由席は●号車〜●号車です。(この列車は、全車自由席です。)(この列車は、全車指定席です。)」

行先別最終の案内

「この列車は、□□行きの最終列車です。」

通過待合せの案内

先発番線案内

「今度の【路線名2】■■■■方面は、■番線の■■■■行きの列車が先に発車します。」

次発車案内(通過表示時)

「次の発車は■■■発です。」

在線位置表示

「この列車は、■■■■駅を出ました。」(3回繰り返し)

到着表示

「次は■■■■に停車致します。」

乱れ時表示

延発の案内

「この列車は当駅で少々停車致します。」

待合せの案内

順序保留列車の案内

「この列車は、ただいま運転を見合わせております。」

到着遅延の案内

「■番線■■■発【種別2】【列車名5】【号数2】は、ただいま約□□分遅れになっております。」 「■番線■■■発普通列車は、大幅に遅れております。」

遅れ表示

遅延時の時刻隠し

駅ごとに隠す時間は違う

遅れ時間の表示

「遅れ5分」は6分〜10分の遅れ

先発・後発の表示

運用変更によるデータ欠落

JR東日本アイステイションズ(旧 時刻表情報サービス)による運行情報テロップ

在線表示(グラフィック表示)

フルカラー発車標・マルチカラー発車標・ディスプレイ発車標